宮城県内のマンションの居住者による自主管理を行っている管理組合を支援するNPO「マンション管理支援ネットワークせんだい・みやぎ」に参加している運営団体のひとつである(一社)宮城県建築士会の担当者として先の総会(H29.5.17)の冒頭挨拶で、以下のような挨拶をさせていただきました。

 

皆様おはようございます。本日は、平成29年度マンション管理支援ネットワークせんだい・みやぎ全体会議にご参集いただき有難うございます。私は、当会の構成団体のひとつである宮城県建築士会の大竹と申します。よろしくお願いいたします。本日は、私の方から開会に先立ちました一言挨拶をさせていただきます。

この会自体は、今から12年前、2005年春に設立された会で一定の活動暦のある会のようでございます。
実は、私も現在、マンション住まいで管理組合の副理事長の経験もございますし、長期修繕計画の作成も担当いたしました。

言わずもがなのことではありますが、この組織は、マンションに関連する団体、専門家団体、行政等がお互いの役割分担に応じ、相互に連携し、継続してマンション管理組合の皆様を支援し、より良いマンションライフの実現に向けた取り組みをしていくことを理念として活動をしてきているところです。その意味で、それぞれのマンションの管理組合の皆様にとっては、実に心強い組織となっているのではないかと思う次第です。

さて、皆様もご存知のように現在、宮城県内には、1,400棟、70,000戸を超えるマンションがあり、多くの方々がお住まいになっています。今も、仙台駅東地区を始め、仙台都心部などを中心に増え続けているのが現状です。
一方様々な方が共同して生活する特性上、その管理運営面において、様々な課題を抱えているマンションもかなり多くなってきている状況にあります。そのような状況を背景に、「マンション管理基礎セミナー」には毎回、たくさんの管理組合の皆さまにご参加いただいているようです。その意味では、マンション管理組合の皆様のご支持も大きいものがあると思っております。

当然ながら同じ住まいでもマンションと戸建て住宅とでは、明らかに違いがございます。マンションは、世帯の多くが、地面に直接接していません。そしてこのさながら人工地盤が積み上げられた中に住まいが設けられているとも言えます。各戸が箱状に積み重なった集合体が、ひとつの町を形成しているとも言えます。また、地面と違いマンション自体は、恒久的なものではなく、寿命があり、定期的なメンテナンスを怠れば、その寿命は、更に短くなること。更には、地面に比べ、都市計画法や、建築基準法の改定等により合法的な存在が、いつの間にか非合法、既存不適格な存在となってしまう課題をはらんでいることなども違う点といえます。
このように考えますと、マンションの維持管理等には社会情勢の変化などにも留意を払いながら常に将来を見据えて取り組んでいく必要があるともいえると思います。
国の方針にも変化が見受けられるように思います。詳しくは、これから何人かの方々にお願いしております報告、紹介にゆだねますが、話題的にひとつだけ私が関わったものに関し、申し上げます。既存の戸建ていわゆる中古住宅を対象とした「住宅ストック維持・向上促進事業」を昨年度より国土交通省が担当部局として取り組んでおり、今年も提案の公募がありました。実は、私も昨年度から東京の不動産関係の事業所やコン去り短との方と連携し応募しております。実は結構ハードルが高く、まだ採択にはいたっていません。この公募事業は、近い将来確実にマンション等共同住宅を想定したものについても検討がなされていくものと期待しております。要は、新しい流れに合わせた活動も今後は求められていくのではないかと思う次第なのです。
また、私事で、恐縮ですが、私の住んでおりますマンションの管理組合理事会で、ある提案をいたしました。其れは、隣の空き地を組合で購入しないかと言う提案です。このマンションは、当時すでに築20年を越えており数十年後には、建て替えの検討に迫られます。その時、この隣地を活用し、現在のほぼ2倍の規模のマンションに建て替え、新に分譲したことによる利益をすでに居住している方々の建て替え費用の一部に当てその負担を軽減しようと言う案でした。勿論、購入した敷地は、駐車場に有効に利用し、駐車場不足も解消しようとの一石二鳥の案のつもりでしたが、他の理事の方々は、よく内容のイメージかつかめなかったのか協議の対象にもなりませんでした。しかし、前にも述べたようにこれまでの発想とは別の新しい考え方もこれからは必要になってくるであろうと私は思っております。
本日は、マンションの全棟調査に関する報告、旧耐震マンションの耐震化促進に向けた支援事業等の紹介もあるなど多彩な事案が設けられているようです。今後とも良好なマンションライフが維持されていけるよう活発な意見交換がおこなわれることを期待して挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。